「脳の中の幽霊」「陰日向に咲く」読了

「脳の中」の感想は後回し 、面白い読め。

陰日向に咲く劇団ひとりが書いた処女小説、ダメーな負け組たちを描いた短編集。
僕は劇団ひとりがどんな人でどんな芸をする人なのかをまったく知らない。たまにタモリ倶楽部に出ているのを知っている程度だ。あちこちのサイトで非常に評判がよかったので注文した。
ただ評判がよかった分自分側のハードルを高いところに上げてしまい、やや期待はずれ。読んでいて文章が稚拙という印象を受けてしまう、各短編の主人公が皆一人称で現代語そのままの台詞で書かれていて小説というよりもシナリオを読まされている感じだ。そのせいか全体にそうめんをすすっているつるつる感というか取っ掛かり感が薄い感じがした、描写が最小限で淡白。ではこの小説がつまらなかったかというとそんなはない、面白い。各短編と全体の構成が非常に緻密でばらばらにとっちからったジグソーパズルがピシッとはまるような快感がある。読み終わるとああやられたと思うような良質のミステリ小説を読んだような読後感。

追加 まったくの偶然なのだが前回に感想を書いた「四畳半神話大系」の森見登美彦のブログをみたらと森見登美彦劇団ひとりが雑誌で対談を先日したらしい。面白そう。

陰日向に咲く

陰日向に咲く

脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)

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